冬キャンプにおいては暖かさが重要ですが、寒くて暖房器具を使うと起こる現象なのが結露です。
結露が起きる事で撤収の妨げに繋がりますし、濡れたままテントを保管するとカビが生えたりと多くの問題がありますが結露を出さないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
冬キャンプにスカートは不要!?
ちなみに皆さんの自宅の窓などは結露していませんか?
本来、熱伝導率が高い窓のガラスやアルミサッシは、外気温でサッシが冷え室内にある水蒸気が窓付近で急激に冷やされて出来るのが結露です。
一般住宅の場合は、その結露を放っておくとカビが発生し、その影響で窓廻りが腐ってくなどの症状が出るのですが、この結露は冬キャンプのテントでも一緒です。
テントと結露問題!
実際、テントに結露が発生すると、水滴を拭き取りテントを乾燥させてから片付けないとテントにカビが生えてしまいますから、かなり面倒臭いですよね。
筆者は住宅関連の仕事なので、こうした相談がよくありますが、今回は冬キャンプのテント内結露について、結露対策をどうすれば良いかを述べていきます。
スカートとは?
まず、最初にタイトルにもあるスカートが必要かどうかですね。
ちなみにテントスカートとは…?
スノーピークのランドブリーズで説明すると、青丸を付けてあるテント下部に付いているヒラヒラの布の事です。
本来、テント下には地面がありヒラヒラのスカートで外からの冷気の侵入を防ぐのに役立ちます。
⇩スノーピークのランドブリーズの記事です⇩
スカートが結露が増える!?
寒い冬キャンプには冷気の侵入を防ぐスカートは絶対必要!と思う方が多いのではないでしょうか?
ただ、実は、このスカートのせいでテント内での結露が増える原因になっている事が多いんです。
結露発生と対策とは?
それでは、結露が発生する条件を考えてみましょう。
湿度が高い事!
空気中の水蒸気量(湿気)が結露の原因の為、湿度が低いと結露がそもそも起きにくく、おおよそ湿度50%以上だと結露が発生しやすくなります。
テント内外の温度差!
結露の原因が室内の水蒸気が急激に冷やされて発生するため、テント内と屋外の温度差が低いと結露が発生しにくいので、温度差を10℃以上作らないようにすると良い。
テント素材で結露が発生!
テント内外の温度差があり、テント素材の熱伝導率が高くいと外気温の影響を受けやすく、素材の吸水性が低いと、急激にテント内で水蒸気が冷え結露が発生する。
換気しないと結露が発生!
テント素材の透湿性が低く換気をしないと水蒸気が外部の放出されず、中にとどまり結露の原因に繋がります。
結露が出ないテント5選とその対策!
以上の事から、結露の発生条件としては4つの原因があるわけですが、湿度に関してだけはキャンプでは対処不可能です。
湿度コントロールはキャンプでは不可能!
冬場は乾燥するイメージがありますが、それはエアコン暖房を着けている屋内の状況に対してです。
また、屋外では冬場は空気が乾燥しており、また気温が低いため地面からの水分が蒸発しにくいので相対湿度の関係から乾燥しているように感じます。
しかし、テント内で暖房を使い温度が上がれば必然的に地面からの水分は蒸発しテント内の湿度が上がりますし、寒いと思って灯油ストーブを使用すると、灯油を燃焼させた容量分だけ水蒸気を発生します。
そのため近年の住宅暖房でも、結露が少ないエアコン、FF灯油ストーブ、セラミックヒーター、オイルヒーター、床暖房がメイン暖房になっています。
結露を発生させない方法 !
それでは、結露対策できないのかと思われますが、完全には出来ないだけで、先程説明した3つの対策をシッカリすれば、結露を軽減する事は十分に可能です。
内外の温度を解決!
テント内を暖房で暖めずテント内外の温度差を作らなければ良いんですが、それだと冬場は寒いです。
ただ、外気が冷え込む時間帯が深夜から明け方なので、一番温度差が出来るこの時間に温度差を作らないように寝る前には暖房を切って、テント内の換気をしてテント内温度を下げます。
そうする事でテント内の水蒸気も一緒に放出する事ができ、結露が発生しにくい環境を作る事が出来ます。
素材を考え結露をブロック!
そもそも、テント生地は薄すぎ内外の温度差を生じさせやすいので、完全な結露対策には出来ませんが、コットン素材なら透湿性や吸湿性もあり結露を軽減できます。
テント素材で多いポリエステル素材は水を通さず防水性能が高いですが、逆に冬場はその防水性がアダとなり水蒸気を逃がせないので、コットンやポリコットン素材の方が結露対策にとっては有利です。
その分、濡れた場合は乾きにくいので、キチンと乾燥させないとカビの心配はあります。
換気回数を増やして湿気を逃がす!
これは住宅でも一緒ですが、気密性能が高いと計画的に湿気を24時間換気システムで外部に放出する必要があります。
例えば、高気密高断熱住宅で結露する最大の原因はコレで、冬場は寒いから換気システムを消していたり、お風呂の換気扇を回す時間が少ない家は断熱性能が高くても結露が発生します。
最新の住宅でさえ住まい方を間違えると結露するのですから、テントの薄布一枚ではどうにもなりませんが、換気量を増やし水蒸気を逃がせば結露が発生しないので、テントに付いているスカートが無い方が結露を軽減出来ます。
スカートは必要性?
以上説明した事を、総合的に判断すると、タイトルの『冬キャンプにスカートは必要?』かといえば、結露対策を本気で考えるとスカートが不要です!
そして、今説明した3つの結露対策が可能なテントであれば、結露を抑える事ができ、冬キャンプの撤収が楽になります。
また、結露を起こさない為には以下の4点を守りましょう!
- テントはコットン素材で、スカートが無く通気性が良い事!
- 就寝前に暖房を切り、換気をして室内温度を外気温に近づける事!
- 就寝時に口から出る水蒸気を出さない為に、マスクをする事!
- 通風状態で就寝のため、厳寒期用寝袋を使用する事!
結露が出ないテント5選!
それでは、結露が出ないテントはあるのでしょうか?
Tschum SOSWA
ドイツのキャンプブランド[ Tschum / チャン ]のテントは、職人の手によって全てハンドメイドで製作されたコットンテントです。
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素材はオランダのアウトドア生地メーカー[Tencate / テンケイト社]オリジナルのコットンを使用し、丈夫で優れた通気性と水分調整機能があり、結露の発生を抑え、カビが生えづらいです。
BUNDOK ソロベース
ミリタリースタイルのキャンプを楽しめるバンドックのソロベースで、フライはポリエステルとコットンの混紡生地を使用しているため、夏は涼しく、冬は暖かいです。
株式会社トレンドライン
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スカート標準装備のソロベースEXとは違い通気性も良く結露しにくく、就寝時に開放して使用する事で結露を軽減できますよ。
⇩バンドックソロベースのレビュー記事です⇩
D&R 4シーズンコットンベルテント
DANCHEL OUTDOORのコットンテントは、壁側のテントを360度巻き上げることができるので景観を楽しむには最適のテントです。
ショップロゼオ
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使い込むほどに味が出るコットン100%のため、吸湿性や透湿性が高くなっているので、結露を軽減できますよ。
ノルディスク アスガルド12.6
そして、ファミリーキャンプ向けのポリコットン生地のテントならノルディスクのアスガルド12.6も最適で、日中はテント内で暖房をかけて快適に過ごせます。
ケンコーエクスプレス
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また、別売りのジップインフロアを使う事により地表面からの水蒸気を抑える事ができますのでTC素材でも十分結露を発生させないようには出来ますよ。
ローベンス クロンダイク
そして、上記のアスガルドと同じ理由でおススメなのがデンマーク製のローベンスのクロンダイクで、コチラはフロアマットが標準装備なのが有難いですね。
天幕には、耐久性と通気性に優れた独自開発のポリコットンを採用し、設営が簡単な上、出入りがしやすいAフレーム構造の大型ドアが特徴でフルメッシュにもなるため、夏場も快適に過ごせます。
e-TRADE SERVICE
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また、最大130kmの風速にも耐えられる強靭な構造も魅力で、天井部には煙突を通すポートを備えており、冬場は薪ストーブを使用できますので冬場の結露にも強いですよ。
⇩我が家がクロンダイクを選んだ理由記事です⇩
結露が出さずに快適に冬キャンプを楽しもう!
過去にTC素材のテントもいくつか使用しましたが、通気性を適切に確保して、地面からの水蒸気問題を解決しないと必ず結露するので注意が必要です。
また、就寝時に通気性を高めると寒いですから、必ず防寒性の高い寝袋を使用するようにしましょう。
⇩冬用シュラフの記事です⇩
今まで冬キャンプ=スカート付きテントという固定概念がありましたが、スカートがあると撤収時に乾きが悪かったり結露が発生したりするので、使わない選択も有りだと思います。
また、就寝時だけスカートをトグルで巻き付けておくだけでも通気性は格段に上がりますし、地面からの水蒸気を抑えたいなら別にブルーシートを敷いてから寝るだけでも随分結露を軽減できますよ!