先日、刃物屋さんである福善刃物工業株式会社より新商品のステンレス鋼ペグを実際に使い、他のペグに比べてどうか試してみて欲しいとの連絡をもらいました。
勿論、自分としてはペグの重要性は認識していながら、ペグといえば鍛造ペグで決まりでしょ!という思いがあったのですが…
今回、その認識が変わりました!
鍛造ペグからステンレス鋼ペグへの時代の変化!?
実際、我が家はキャンプ歴10年少々ではありますが、色々なペグを過去に使ってきています。
初心者の頃は付属ペグを使う事が多く、スチールペグ、アルミジュラルミンペグ、アイアンペグ、プラペグなどを使ってきていましたが。最近では鍛造ペグしか使っていませんでした。
⇩鍛造ペグの記事です⇩
ステンレス鋼ペグ
そんな中ステンレス鋼ペグの存在を知るのですが…
当初はステンレス鋼とはいっても、鍛造ペグと比べて薄いですし、ハンマーで叩くと曲がったりしやすいのではないか?との思いが大きかったんですよね。
ステンレス鋼ペグ『打刀』
そして、今回試してみるステンレス鋼ペグ『打刀』は長さが200㎜あり、一般的な鍛造ペグのサイズとは一緒です。
仕様
- サイズ:全長200mm×幅18mm(差込部 最大寸法7mm)×厚み3.5mm
- U字フック箇所:幅8mm
- 重量:1本 約39g
- 材料:刃物用ステンレス鋼 (硬度:51.0±1 HRC)
- 製造国:日本
ステンレス鋼ペグ『打刀』の特徴
超コンパクト
そして、自宅に届いて驚いた事は…
8本セットなのに、超コンパクトなんです!
刀のような形状から、上下反転させればスタッキング出来る仕様になっており、そもそも鍛造ペグは、キャンプでは心強い分、重くてかさ張るイメージが強かったので、正直ビックリしましたよ。
シンプルな機能美
日本刀のように美しく『打刀』はその名の通り、日本刀をイメージした先端形状を採用しており、光沢のある表面加工を行っており、美しくも高級感のある仕上りになっています。
また先端や全ての面に面取り加工が施されており、バリ等によるロープの破損を防止していますので安心して使用できますよ。
硬く頑丈で耐久性がある
『打刀』はキッチンばさみなどの刃物に使用されるステンレス鋼で熱処理(焼入・焼戻し)という日本刀の製造でも行われる工程により非常に硬くなります。
また『打刀』は刃物製造技法をペグ向けにカスタマイズした特殊な真空熱処理を行い、
硬さや曲がりにくさは維持しつつも、使用時に折れないように柔軟性も持つペグに
なっているそうです。
そのため、硬い御影石に50回ペグ打ちしても折れたり、曲がったりしないそうですが、普通は鍛造ペグの場合は先端が曲がったり、潰れたりするのが普通ですよね。
水に強い
一般的な刃物用のステンレス鋼は錆にくい材料ですが、まったく錆びないわけでは
ありません。
『打刀』は、材料中に含まれる錆びやすくなる成分を低減し、更に硬さと錆びにくさを
付与する元素を添加した特殊なステンレス刃物鋼を使用しております。そのため、
一般的に使用されている刃物用ステンレス鋼よりも非常に錆に強くなっています。
特にキャンプの場合は急な雨もありますから、ペグ自体が濡れる事は日常茶飯事で、鍛造ペグなども傷があればそこから錆の腐食がおきますが、ステンレス鋼だとその心配がないのは嬉しいですね。
刃物屋が造るペグ『打刀』試してみた!
実際に自宅に届き『打刀』を開封してみると、流石に日本刀っぽくてカッコ良いデザインですよね。
しかも、小さくネーミングが入っているところもシブいです。
そして、本当であれば実際にキャンプに行って使用感を試してみたかったのですが…
生憎の梅雨空で中々キャンプができませんので、今回はキャンプ場で想像される地面において、鍛造ペグと、このステンレス鋼ペグの内具合を試していきたいと思います。
打刀試験:土サイト(自宅庭)
そもそも、我が家でのキャンプの際は一般的にお洒落なペグハンマーなどは使っておらず、普通の金槌ですので、ペグの頭が鍛造だろうが傷つきやすいのが難点なんです。
実際のところ自宅の庭なんで、特に転圧も掛かっておらず両方ともペグの入り具合は良く、刺した後に動かしてみましたが大差はないですね。
両方ともシッカリ刺さっていましたが、ペグを抜くときは刀のような綺麗な打刀は抵抗が少なく抜きやすかったですね。
実際、鍛造ペグを普通の金槌で叩いていると、こんな感じになってきますがステンレス鋼だと強く叩いても傷が付きにくいように感じます。
打刀試験:芝サイト(公園)
芝サイトを想定して、近所の公園に移動しペグ打ち比較をしますが、比較的柔らかい地面の場合は大差がないように感じます。
打刀試験:砂利サイト(河川敷)
河川敷に移動して、砂利の圧接面に打ち込んでみますが流石に地面は固いですね。
両方のペグとも打ち込む事が出来ますが円形の鍛造ペグに比べて、刀形状のステンレス鋼の打刀は明らかに打ち込みやすいです。
特に砂利サイトの場合、中に大きい石があると打ち込めなくなりますが、打刀の形状的には石と石の間に入っていくような感じがするので、硬めのサイトの場合は鍛造ペグに比べてステンレス鋼ペグの方が打ち込みやすいと思います。
打刀試験:砂サイト(海水浴場)
次は海水浴場ですが、波打ち際から遠く地面が締まっている砂地で打ち込み比較をしましたが、まあそもそも打ち込みやすい砂地なので違いはなかったですね。
ただ、打ち込む際に円形の鍛造ペグは形状からか、振動で穴自体を崩れさせるようで、打刀の場合はサクっと打ち込めるような感じでしたね。
ステンレス鋼の打刀を使ったら鍛造ペグが不要に!
実際キャンプ場に赴き、テントを張ってガイロープなどのテンションを掛けた訳ではありませんが、鍛造ペグとの大きな違いは体感できました。
打刀を手にしてからは、鍛造ペグが不要になってしまいました。
打刀は収納力も抜群!
さらに、特に大きな違いを感じるところは収納力です。
我が家はキャンプの際にトラスコの工具箱に30㎝鍛造ペグ8本、20㎝鍛造ペグ18本、金槌を入れて持ち運んでいますが、かなりの重量とスペースが必要なんです。
それに比べると、8本のステンレス鋼ペグである打刀はこれだけなので、ある意味省スペースでコンパクト化を図っているキャンパーにはうってつけです!
そして、自分の場合はソロキャンプの際には必要性最低限の持ち物にしたいと考えているので、専用ケースと一緒に持ち運ぶと非常に使い勝手が良いと思います。
鍛造ペグに比べて輪っか部分にロープを通したり、夜での視認性が悪くなるというデメリットもあるとは思いますが…
鍛造ペグに比べて水にも強く、耐久性や打ち込みやすさも良いのであれば、今後のペグに関しては素直にステンレス鋼ペグが最上位になってくるのではないかと思えるほどのクオリティですよ。