キャンプ場を選ぶときにトイレの状況が気になる方は案外多いのではないでしょうか。
男性なら気にされない方も多いですが、女性や子供と一緒にいくキャンプならシッカリと事前に確認する方が色んな意味でもおススメです。
絶景とトイレ品質は対極的?
筆者のように男性のソロキャンプならあまり気はならないトイレ事情ですが、ファミリーキャンプの場合はトイレのクオリティはキャンプ場選定の重要なポイントになってきます。
特にトイレが汚かったら嫁さんや子供から非難される事がありますが、実はロケーションとトイレ事情は密接に関係してきます。
キャンプの絶景とトイレの関連性!
キャンプの醍醐味の一つに絶景を楽しむことがあります。
都会の喧騒を忘れて大自然の中でアウトドアをするなら、絶景ロケーションで快適なアウトドアライフを過ごしたいと誰もが考えると思います。
ただ、絶景を求めれば求める程、トイレの品質が下がる事に注意しなければいけないんです。
下水道処理の仕組みを考えよう!
まずはトイレの基本的な仕組みを考えてみましょう。
一般的な住宅で使用されているのが、下水道を完備した水洗トイレです。
基本的には下水道処理をするには、キッチンやトイレの生活雑排水や汚水を流すために、国道、県道、市町村道といった公道に下水道管を配備しないといけません。
その上で、上流で取水をして下水道に水を流しながら、汚水や生活雑排水を下流の下水道処理施設にて処理をして海に流す事が多いです。
この一連の作業が出来ない地域だと下水道は完備できず、絶景ロケーションの山岳キャンプ場には、水を多く使う水洗トイレを設置のが困難です。
受益者負担の原則!
これは、トイレと関連するゴミ処理なども一緒ですが、公共サービスを受ける為には、そもそも受益者(サービスを受ける者)が、対価(お金)を支払うという考えの元に成り立っています。
そのため、絶景ロケーションでそもそも居住者がいないエリアに、高い維持費を払って下水道を完備するのが受益者負担の観点から難しいのが分かります。
例外として、同じエリアで絶景を売りにしている旅館やホテルなどの宿泊施設が傍にあれば恩恵を受ける事は可能ですが、そういった状況は稀です。
以上の理由から、綺麗な水洗トイレのあるキャンプ場は旅館やホテル近くや、近隣に住宅地がある場合などに限定されます。
キャンプ場のトイレ事情とは!?
それでは、下水道などの整備が出来ない絶景が売りである標高が高い山間部のキャンプ場のトイレはどうなっているのしょう?
水洗トイレ(合併浄化槽)とは!
先程の説明した通り、下水道を使えないと水洗トイレが使えないか?といえば、実は使えます。
これは下水道完備されていない地域の住宅も一緒で、そういう場合は合併浄化槽を使用する事になります。
単純にトイレ傍に浄化槽を埋め込んで、浄化槽内のバクテリアに汚水処理をさせ、綺麗になった処理水を側溝や川に流す方法です。
ただし、この場合は処理水を流す場合に水路管理者の同意が必要になるので、場所によっては使用できない場合もあります。
しかし、合併浄化槽であれば一般的な下水道完備の水洗トイレと同じように使用が出来るので、お子さんや女性も安心して利用できますね。
バイオトイレとは!
そして、最近登山道などに増えてきているのは、浄化槽と考え方が近くオガクズなどに熱を加え微生物の動きを促進させて処理するバイオトイレです。
原理としては排泄物を木質材(オガクズ、ヤシ皮繊維、ピートモスなど)と混ぜ合わることにより、好気性微生物による分解、水分吸収、悪臭の軽減もできます。
また、水洗式でないゆえ、どんな場所にでも設置可能で、汲み取り作業を必要としないため、バキュームカーの立ち入れない場所への設置が多く、車の乗り入れができない登山道や山小屋には最適な環境に優しいトイレです。
汲み取り式トイレとは!
そして、標高が高いエリアにある絶景キャンプ場で、良く目にするのは汲み取り式トイレです。
年配の方ならご存じの人が多いと思いますが、昔から使われてきた落下式便所の一つで擬音語を使って、ポットンorボットン便所などとも呼ばれています。
最近では公共下水の整備や合併浄化槽の普及と共に水洗トイレがほとんどで、地方の農山村地域においても中々目にする事がなくなってきました。
しかし、未だに無料キャンプ場などの経費を掛けれないキャンプ場では目にする事が多いのも現状です。
汲み取り式の良いところは電気も不要で、排泄物をバキュームカーで汲み取るだけですから、車が通りさえすれば電気や水道が通っていないところでも対応できます。
しかし、その分トイレの下に便槽があって排泄物を貯め込む形態ですから、当然ながら臭いが強烈です。
絶景ロケーションとトイレクオリティ!
アウトドアライフに欠かせないトイレの話しですが、キャンプ場の口コミを見ていると案外事情をご存じではない方も多いかもしれません。
トイレのクオリティは重要なポイントではありますが、絶景をみながらキャンプを楽しむには、美しい自然環境を汚さないという気持ちが必要です。
自分も各キャンプ場のレビューを記事にしており、その際にはトイレの画像も載せており、キャンプ場利用者が覚悟を持ってもらえると嬉しいですね。
そして、汚いトイレは絶対無理!という方には、水洗トイレでウォシュレット完備されている高規格キャンプ場も年々増えておりますので、女性からお子さんまで安心して利用出来ますよ。
ただ、山間部で眺望が良いキャンプ場や、綺麗な清流沿いのキャンプ場、美しい景色の湖畔キャンプ場などは、環境破壊に繋がるので、どちらを選ぶかでキャンプ場の選定をしてみてはいかがでしょうか。